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2003年5月に施行された健康増進法第25条で、公共の場における受動喫煙の防止が定められましたので、皆さんも受動喫煙という言葉をお聞きになったことがあると思います。受動喫煙とは、非喫煙者が喫煙者のタバコの煙を吸わされることです。
受動喫煙によって、非喫煙者も喫煙者と同じ健康被害を受けることが分かっていますが、それは大人だけではありません。小児科で患者さんを診ていると、家庭内受動喫煙によって病気になっていると思われるケースに出会うことがあります。受動喫煙で増える病気は以下のとおりです。
小児の急性肺炎・気管支炎:1.46〜2.50倍 小児喘息:1.75〜2.25倍 小児中耳炎:1.19〜1.58倍 乳幼児突然死症候群:4.7倍(両親喫煙の場合)
小児科医として気になる数字がもう一つあります。厚生労働省の調べによると、「妊娠中に喫煙する母親」の割合は約10%と、この10年間で倍増しているということなのです。妊婦さんが喫煙すると、胎児は非常に大きな健康被害を受けます。自然流産や死産、早産の危険性が高くなりますし、胎児の発育が障害され、出生時の体重や身長が減少します。また、あまり知られていないと思いますが、口蓋裂などの先天奇形を持って生まれる危険性が約2倍になります。
妊娠中の喫煙は胎児期だけでなく、生まれてからの子供にも様々な悪影響を及ぼします。乳幼児突然死症候群による死亡率が高くなる、身長の伸びが悪く、知能指数も低くなる、などです。また、キレやすい子供、抑制のきかない人間になりやすく、将来暴力犯罪を起こす率が高いというデータも出ています。妊婦さん本人がタバコを吸わなくても、周りの人が吸うタバコの煙を妊婦さんが吸い込むこと(受動喫煙)によって、胎児に同様の障害が起きるということも次々に報告されています。
発育途上にある赤ちゃん・子供は、大人以上にタバコの煙の害を受けやすいのです。生まれてくる赤ちゃんのために、また、生まれてきた赤ちゃん、子供のために、周囲の大人の協力でタバコの煙のない快適な環境を作ってあげて下さい。
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