平井こども
クリニック

愛媛県松山市和気町
の小児科

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Newsお知らせ

怖い流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)後の難聴  予防接種を受けよう!!

下記のような論文がありましたので紹介いたします。

流行性耳下腺炎が確認された小児の総難聴率は、聴覚検査を行った小児7400名当たり7名(0.1%)で、いずれも重度の難聴であった。流行性耳下腺炎が原因で難聴になった小児で、流行性耳下腺炎ワクチンを受けていた者は皆無であった。(Pediatr Infect Dis J 2009;28:173-176.)

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)後に千人に一人もの人が難聴になる、ということを多くの方はご存じないと思います。多くの方は「おたふくかぜは小児期に罹っておればよい軽症の病気だ」と思っておられるようですが、この論文では、以前に思われていた以上の頻度で、流行性耳下腺炎後に難聴になることが明らかになりました。この難聴は流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ワクチンをしておけば防げます。流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ワクチンは任意接種ですが、小児期の早いうちに接種することをお勧めいたします。

「リビングまつやま」に載りました

リビングまつやま
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「リビングまつやま」5月23日号の第1面に、私のインタビュー記事が載りました。特集「受動喫煙から子どもたちを守る!」の中ですが、かなりのスペースで記事を書いていただいています。受動喫煙の害について、もっと多くの人が十分な認識を持っていただければと、切に願っています。

子供をタバコの煙から守ろう!

2003年5月に施行された健康増進法第25条で、公共の場における受動喫煙の防止が定められましたので、皆さんも受動喫煙という言葉をお聞きになったことがあると思います。受動喫煙とは、非喫煙者が喫煙者のタバコの煙を吸わされることです。

受動喫煙によって、非喫煙者も喫煙者と同じ健康被害を受けることが分かっていますが、それは大人だけではありません。小児科で患者さんを診ていると、家庭内受動喫煙によって病気になっていると思われるケースに出会うことがあります。受動喫煙で増える病気は以下のとおりです。

小児の急性肺炎・気管支炎:1.46~2.50倍
小児喘息:1.75~2.25倍
小児中耳炎:1.19~1.58倍
乳幼児突然死症候群:4.7倍(両親喫煙の場合)

小児科医として気になる数字がもう一つあります。厚生労働省の調べによると、「妊娠中に喫煙する母親」の割合は約10%と、この10年間で倍増しているということなのです。妊婦さんが喫煙すると、胎児は非常に大きな健康被害を受けます。自然流産や死産、早産の危険性が高くなりますし、胎児の発育が障害され、出生時の体重や身長が減少します。また、あまり知られていないと思いますが、口蓋裂などの先天奇形を持って生まれる危険性が約2倍になります。

妊娠中の喫煙は胎児期だけでなく、生まれてからの子供にも様々な悪影響を及ぼします。乳幼児突然死症候群による死亡率が高くなる、身長の伸びが悪く、知能指数も低くなる、などです。また、キレやすい子供、抑制のきかない人間になりやすく、将来暴力犯罪を起こす率が高いというデータも出ています。妊婦さん本人がタバコを吸わなくても、周りの人が吸うタバコの煙を妊婦さんが吸い込むこと(受動喫煙)によって、胎児に同様の障害が起きるということも次々に報告されています。

発育途上にある赤ちゃん・子供は、大人以上にタバコの煙の害を受けやすいのです。生まれてくる赤ちゃんのために、また、生まれてきた赤ちゃん、子供のために、周囲の大人の協力でタバコの煙のない快適な環境を作ってあげて下さい。

熱性けいれん—落ち着いて対処しましょう—

熱性けいれんは、38度以上の高い発熱に伴って乳幼児に生じるひきつけで、子供の7~8%に見られる比較的多い病気です。熱が出始めてから数時間以内にけいれんを起こすことが多く、中にはけいれんを起こして初めて熱に気づかれる場合もあります。

熱の原因はいろいろですが、中枢神経系の感染症(脳炎・髄膜炎など)の場合や、けいれんの原因となる他の明らかな異常がある場合などは熱性けいれんとは言いません。どうして発熱に伴ってけいれんを起こすかは分かっていませんが、年齢と関連があり、生後9ヶ月から3歳頃が最も多く、生後6ヶ月以前や6歳以後はまれです。

発熱している子供が急に意識を失い、目を上の方につり上げ(白目をむいて)体を硬くしてぶるぶると震え(この時腕は肘のところで屈曲し、足はピンと伸ばしていることが多い)、そのうちにがくがくとしたひきつけを起こしだす、というのが典型的な症状です。初めてそれを目撃した家族の方は、大変驚き気が動転し、「発作が止まらずにこのまま死んでしまうのでは」と感じることも多いようです。しかし発作の最中に死ぬことはありませんので落ち着いて対処してください。

まず子供が呼吸しやすいように胸元を緩めます。舌の咬傷予防のために口の中に物をさしはさむことは、かえって口腔内を傷つける危険があるのでしてはいけません。けいれんの持続時間は5分以内がほとんどで、けいれんの後はもとの意識状態に戻るか、そのままぐっすり眠り込んだりします。

1度熱性けいれんをおこした子供たちの約4割は、2回またはそれ以上発作を繰り返します。10分以内ぐらいの熱性けいれんであれば脳に障害をおこすことはないので、必ずしも発症を予防しなければならないというものではありません。

しかし、◎けいれんの持続が15~20分以上◎けいれんが左右対称でない◎けいれんを24時間以内に2~3回以上繰り返す◎1回は短く典型的でも2~3回以上繰り返す◎家族の方の不安が強く予防を希望◎その他医師が必要と認めた場合ーーーなどは予防の薬を用いることになります。

熱性けいれんの予防には、発熱初期に8時間間隔で2回けいれん止めの座薬を入れるという方法が普通です。薬(抗けいれん剤)を継続的に内服する方法もありますが、この方法が取られるのはごく特殊なケースに限られます。

熱性けいれんを繰り返し起こす子供も、小学校に入学するころまでには発熱してもほとんど発作を起こさなくなりますので、あまり神経質にならずに医師の指導を受けてください。

小児科Q&A 溶連菌感染症について

【質問】 六歳の息子の幼稚園で溶連菌感染症が流行しているようです。息子は熱はないのですが、最近、のどの痛みがあるようで心配です。昨年も溶連菌感染症にかかったのですが、再びかかる可能性はあるのでしょうか?また、この病気の注意点を教えてください。

【答え】 溶連菌感染症は平成十九年冬、愛媛県だけでなく全国的にも流行したようです。年長幼児から学童にかけての小児に多く見られる感染症です。小児の病気の中には、ウイルス感染症で一回かかると終生免疫ができて二度とかからないものが多いのですが、ご質問の溶連菌感染症は、正式には「A群β溶血連鎖球菌」という細菌による感染症であり、終生免疫はできませんので、何回もかかる可能性があります。また、子どもから親にうつってしまうケースも見られます。

主な症状は、発熱とのどの痛みです。熱の程度は微熱から高熱までさまざまで、時には熱が無く、のどの痛みだけのこともあります。その他、腹痛、吐き気を伴ったり、ひどくなると発疹(はっしん)、舌の表面がブツブツと赤くはれ苺(いちご)のようになる苺舌が見られたりします。普通のかぜと似ていますが、医師は症状とのどの独特の赤さでこの病気を疑い、多くは迅速診断キットで診断します。ただし、抗生剤を内服した後では、検査で陽性に出ないこともあり、注意が必要です。

溶連菌感染症が普通のかぜと違うのは、放っておくと腎炎やリウマチ熱などの合併症を引き起こす恐れがあることです。完全に除菌して合併症を予防するために通常、抗生剤を十~十四日間内服します。学校保健法で出席停止となる病気の一つですが、抗生剤内服後二十四時間以上経過し、症状が軽快していれば感染力はほぼ無くなっており、通園(登校)可能です。治療で症状も速やかに軽快することが多いのですが、短期間で抗生剤内服をやめると、しばらくして再燃する(ぶり返す)ことが多いので注意しましょう。

松山市学校医会で講演しました

向かって左から、松山市医師会長稲田先生、私、同副会長須賀先生
向かって左から、松山市医師会長稲田先生、私、同副会長須賀先生

2006年5月11日、松山市コミュニティーセンター企画展示ホールで、松山市学校医会が開かれ、そこで「喫煙防止教育」と題して30分、講演しました。医師81名、校長、養護教諭など学校関係者170名、行政関係者9名の、合計260人の集まった大きな会でした。

講演要旨は以下のとおりです。

 私は現在、松山市医師会禁煙推進検討委員会のほか、愛媛県小児科医会タバコ病予防委員会、禁煙推進の会えひめなどに属し、喫煙防止教育活動などに関わってきています。

 私が小中学校で喫煙防止教育の講演をする際には、タバコの害や、タバコによって罹りやすくなる病気のスライド、ビデオを供覧しながら講演します(スライド、ビデオ供覧)。多くの児童・生徒が、喫煙者の真っ黒になった肺や、癌になった人の写真などを見て強い印象を受け、「タバコは吸わない」などの決意を感想文に記しています。写真やビデオを用いた喫煙防止教育は非常に有効であると思われます。

 高校生ぐらいから喫煙率が上昇してくるので、小学生高学年から中学生ごろが、最も喫煙防止教育に適しており、すべての小中学校で喫煙防止教育の充実が望まれます。喫煙防止教育の充実のために、今後さらに、医師と教師の協力が必要と思われます。

3才のハードボイルドな1日

 昼下がりの診察室。看護師は何かに手を取られているようで、私は一人で次の患者のカルテに目を通していた。「1ヶ月前に受診。少し喘息ぎみか・・・。」ふと気が付くと、その男の患者さんが一人で診察室の入り口に立っている。カルテから目を上げてそちらを見ると、男もじろりとこちらを見ており、その右手には銃が握られている。「あ・・・」と思う間もなく、その銃口が私の眉間に向けられ、引き金が引かれた。

 ハードボイルド小説なら話が終わってしまいそうな展開であるが、これはフィクションではない。私が開業して間もなくの頃の実話であり、続きがある。

 この患者はN君、3才の男の子で、手に持っていたのはおもちゃのレーザー銃(?)であった。「キュルルルル」という音とともに赤い光が点滅しただけで、もちろん私は死なない。私は、遅れて入ってきてそのおもちゃを取り上げた母親に、にこやかに症状を聞きながら、「あのねえ、人に向かってピストルの引き金を引くということがどういうことか、分かってんの!?普通はそういうことはせんぞ!」と、心の中でつぶやいた。N君はウルトラマンの服を着ていた。すっぽりと頭巾までかぶって、上半身はウルトラマンになっている(つもりなのだろう)。最近時々見かける服なので、それは別に気にしていなかったのだが、診察のため看護師がその服をまくりあげようとした時、N君は激しく抵抗し、必死の形相で両手で服を下ろそうとする。そのため、看護師二人と母親の3人がかりで激しく暴れるN君を押さえ、服をなんとか少し上げて診察した。3才にもなれば、診察にも協力的なのが普通である。それに、N君のこの嫌がり方は尋常ではない。「これは何かがある。少し経過観察が必要かもしれない。」

 しばらくして、その「何か」が判明した。自費カルテは別になっているので気が付かなかったのだが、N君はこの診察の数日前に当院で予防接種を受けていたのである。そのことが分かった時、私はN君の行動のすべてが理解できた。あの日、診察室に入ってきたN君にとっては、私は痛いことをする怪獣だったのだ。だから、ウルトラマンの服を着て「銃」を持ち、完全武装でやって来た。そして先制攻撃を加えた。しかし、この怪獣は死なない。それどころか、余裕の笑みを浮かべながらウルトラマンの服を脱がそうとする。ウルトラマンでなくなったら大変だ。小さいN君では怪獣に負けてしまう(痛いことをされちゃう)。「そんなの、絶対イヤッ!!」それで、服を脱がされることに必死に抵抗した。

 以上のことは、N君に聞いて確認したわけではないが(3才のN君には確認のしようもなかったが)、まず間違いないと確信している。その後N君は、徐々に診察も普通にさせてくれるようになった。そして今、N君は少々わんぱくだが、元気に小学校に通っている。私はN君を診察するたびに、あの日のことを思い出して思わず微笑んでしまう。

 今年も子供たちの素敵な笑顔にたくさん出会うことができるように、また、子供たちにとって幸せな社会になってくれるようにと願っている。

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このエッセイは松山市医師会報第242号(2005年1月)に掲載され、この年のレターオブザイヤー(最優秀賞)に選ばれました。「クスッと微笑んでしまうお話ですね。」(O先生談)
また、日医ニュースNo.1077(2006.7.20)にも転載されました。
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